■赤間病院で大腸がん検査を受けました/後篇
地域医療に
【本気】で取り組む赤間病院
病院を訪れると、地域の皆さんの健康を守るために、先生・看護師・職員の皆さんが、「本気で」それこそ「一生懸命に」取り組んでいらっしゃる様子が伝わってきて、応援したくなる病院でした。以下、七福神の育さんが、大腸内視鏡検査で訪れた2日間で、この目で見て、肌で感じたことをそのままご紹介します。
■医療法人「光洋会赤間病院」の目指すところ
【経営理念】
健康を守る様々な活動を通して、地域の方々に必要とされ信頼感を得て社会貢献する事の出来る病院を目指します。
【看護理念】
私達はいつも優しい心で患者様に寄り添い、科学的根拠に基いた質の高い看護、介護サービスの提供に努めます。
どこの会社や病院でも、立派な理念を掲げていますが、掛け声だけでなかなか実践されていない所が多いようです。でも、「この病院だけは違うな。本物だ」と直感しました。
七福神の育さんの好奇心が頭をもたげ、院内の様子をそっと観察してみると、先生・看護師・職員さん方は、患者さんの目線にたって気配りと思いやりの精神で接しておられ、一方では、患者さんとの接し方や予防・治療に関する知識・技術の向上、地域との共生に、真剣に取り組んで入らっしゃる姿が伝わってきました。
■最初の(財)日本医療機能評価機構認定病院
「病院の質を評価する病院機能評価」において基準を達成していることが認められ、2002年に宗像地区第一号の認定病院に指定されています。2007年にはさらに厳しい認定基準をクリヤーし引き続き認定病院の資格を保持しています。
■創意工夫~赤間病院の皆さんの取り組み~
◆静かで落ち着ける、癒しの院内環境
待ち時間を感じさせないコミュニケーション広場
全体的に落ち着いた色調の広いロビーと診察待合室。大型テレビが2ケ所設置してあり、日本の名山・滝・城等の風景や名所、世界遺産、小川のせせらぎ、小鳥ののさえずり等の画像とバックミュージックが気持ちを和らげてくれます。
窓の外には、ちょっとした庭園があり、窓越の新緑、木漏れ日が心を癒してくれます。
1階のロビー・診察待合室はコミュ二ケーション広場として活用され、壁には、健康・医療情報だけではなく興味を引く情報が、ジャンル別に、大きな文字で、分かり易く、整然と掲示されています。
また、周囲の散策マップや旧唐津街道「赤間宿」の案内チラシ、市・県の広報だより等をロビーに設置し地域情報を提供。それらを見ていると診察・治療・会計の待ち時間を感じません。
◆情報公開で、患者さんとの信頼関係を深める
病院に勤務される先生方の個人情報を含めた院内情報を、ビデオや掲示板で積極的に情報公開し、患者さんや地域と病院のコミュニケーションを図り、安心・安全の信頼関係を深める努力をされています。 また、HPや広報誌「こうよう」でも最新のタイムリーな情報を発信しています。
◆隅々まで掃除の行き届いた、清潔な院内・施設
院内は隅々まで掃除が行き届き、床はきれいに磨かれて気持ちがいいですよ。トイレは、毎日定刻にきちんと消毒点検がなされ清潔に保たれていました。(他の病院や量販店のトイレでも消毒点検カードは掲示されていますが、形式的で雑なのをよく見かけますが、ここの消毒点検カードは、丁寧に確実に記入されていて、こんな所にもひとつ一つを見逃さない真剣さが読みとれました)
◆いたわりと思いやりの感じられる応対
受付嬢は気持ちのいい挨拶とテキパキと気のきいた応対ぶり。先生・職員の皆さんは、患者さんト目が合うと、わけ隔てなく、目礼したり、そっと声をかけたりして気配りをされて、やさしさと温もりが感じられます。
◆患者さんの苦言から逃げずに前向き対応
ロビーにご意見箱を設置して来院者の声を収集。寄せられた意見のうち苦情や提案については、掲示板で回答し、考え方と対策を明示し双方向で改善を図っています(耳に痛い話にふたをせず、真摯に受け止め、堂々と公開する姿勢がうかがえます)
■地域と共に歩む
~医療通じて、地域密着・地域貢献に取り組む~
◎広報誌「こうよう」の発行
病院の各セクションの活動状況・研究発表や最新ニュース、健康セミナーのお知らせ等が、大きな文字で簡潔にまとめられていて読みやすいですよ。先生や看護師さんが撮影された表紙の風景写真には、美しいと感動したことを療養中の皆さんと共有したいとのやさしい心が伝わってきて温もりを感じます。(3月号は看護師の今土さんの「春の開聞岳」、4月号は三宅陽副院長の「春の唐津湾」)。何といっても、「手づくり」なのがいいです!!毎月一回発行。
◎全職員研究発表会~自己啓発~
各セクションごとに研究テーマを決めて、部員全員で調査・分析・研究し、研究発表会を開催し、その内容を院内のロビーの壁に掲示しています。これも、大きい文字やグラフを使い、簡潔にまとめられていて、とてもわかりやすく、診察や会計の合間に読むと待ち時間も感じません。しばし、病気のことも忘れてしまい、気分もよくなりそう!!例えば、
【栄養管理科】当院における食形態の現状について
【リハビリテーション科】当院のリハビリ患者の現状について
【薬剤科・検査科】分離菌の感受性と抗菌剤の適正使用について
【看護部】アロマを用いた芳香療法による疾痛緩和について
【看護部(介護)】カテキン類濃度による皮膚トラブルへの効果の比較
【放射線科】画像診断について(大腸)
【事務部】外来患者数の推移と地域分析(人口・高齢化比率)
事務関係者も参加されているのが素晴らしいですね。
◎予防・治療・健康セミナーの開催
毎月、院内の会議室でその時期に合わせたテーマで、専門の先生による参加自由・無料の健康セミナーを開催しています。例えば、
・3月27日(土)15時より 「煙草をやめられないあなたへ」
・4月17日(土)15時より 「転倒予防のコツ」
◎地球温暖化防止【チャレンジ25キャンペーン」に挑戦
1990年比で温室効果ガス排出量25%削減のための国民運動にいち早く参加登録し、地球温暖化防止に、病院上げて全員で取り組んでいます。この活動が環境庁からも評価され、去る3月25日の西日本新聞で紹介されてました。
◎誰でも読めて借りれる文庫を設置
一階ロビーのコーナーに本棚が置いてあり、健康・医療関係の本だけでなく趣味・娯楽、文学図書が並んでいて、誰でも自由に本が読めて貸出しもOK。でも、新しい本や冊数が少ないですね。
【七福神の育さんの体験談】 25年前、育さんは、地域とのコミュニケーションを深め交流を図るため、銀行のロビーにコミュニティ文庫を開設。来店客に家庭で眠っている本の寄贈を呼び掛けたところ、1ヶ月で500冊が集まり、ある社長さんは、「支店長、新しい本もないといかんね」と20冊の新刊図書を寄贈して下さいました。
そのうち、この試みが何度か新聞にも取り上げられ(右の写真)、各地から宅配便で送られてきて1000冊にもなりました。これが口コミで広がり、各地の銀行や警察のロビーに、こうしたコミュニティ文庫が設置されるようになりました。
本の貸出しは自由。貸出管理簿は面倒なので無くしましたが、大半が返却されましたよ。中には戻ってこない本もありましたが、借りた人が手元に置いて読んでくれていると思えばむしろ嬉しいですよね。
■赤間病院の概要
病院は福岡市と北九州市の中間に位置する宗像市にあります。この地区は、江戸時代は、旧唐津街道の「赤間の宿」があったところで、出光興産の創業者「出光佐三」がすぐ近くで生れています。周囲は、城山登山コースや史跡探訪コースもあり、自然いっぱいの緑豊かな環境です。
赤間病院のHPはこちら ⇒http://www.akama-hp.or.jp/
赤間病院のみなさん、ありがとうございました。
いつまでも、地域に愛され親しまれる病院であってほしいですね。
自己啓発には、【もし高校野球の女子マネージャーがドラッカーの「マネジメント」を読んだら】という本も参考になりますよ。岩崎夏海 (著)
画像の一部は赤間病院のHPよりコピーしました。
(鹿児島・山口・福岡応援団 / 地域交流飛翔会 / 新留育郎)