■女子managerがドラッカーの『マネジメント』を読んだら…
これまでの七福神の育さんの経験から言えば、景気の動向は、「銀行窓口でのお金の流れ」と「企業広告の出稿状況」を見ればよく分ります。 銀行窓口でのお金の出入りが頻繁であればモノがよく売れている(好景気)ということであり、企業はさらに売り上げを伸ばすために、先ずテレビCMなど広告宣伝を積極的に展開します。反対に、お金の出入りが閑散であればモノがあまり売れなくなってきている(不景気)ということであり、企業は経費の削減をして何とか利益を確保したいと考え、まず最初に、広告宣伝費からを削減していくからです。
■景気は回復してきている!!
先月、仕事で東京と大阪のテレビ局30数局を訪問した折、CMスポンサーの出稿状況を尋ねてみました。東京のテレビ局扱いのスポットCMは今年に入り増えてきており、東京の景気はかなり回復してきているようです。日銀短観や各調査機関の統計資料、上場企業の前期決算発表でも景気回復の兆しが見えますが、東京の景気は確かに回復してきていると実感できました。
一方、大阪のテレビ局扱いのスポットCMは減少したままで低迷しており、大阪はまだまだ不景気から抜け出せていないようです。景気の波は東京からスタートし、しばらくして大阪に波及、6ヶ月遅れで九州に届くと昔からよく言われています。そろそろ大阪の景気も底を脱し回復基調に転じ、夏ごろには九州も景気回復の期待が持てそうです。
どの業界でもそうですが、テレビ業界も例外なく「勝ち組」と「負け組」が二極分化しています。いかに「視聴者(顧客)の視点」に立って経営組織が動いているかが「勝ち組」になるポイントのようです。
■東京の本屋さんでみつけた一冊の本
お昼に、たまたま東京の本屋さんの前を通ると、【もし高校野球の女子マネージャーがドラッカーの「マネジメント」を読んだら(岩崎夏海著)】という本が目に飛び込んできました。ドラッカーの「マネジメント」というタイトルと表紙絵を見ただけで俄然興味が湧いてきたのです。この本はマンがじゃありません。ビジネス書なんです。 。表紙の帯に、「新人マネージャーと野球部の仲間たちがドラッカーを読んで甲子園を目指す青春小説!」とあり、顧客の視点に立ったマネジメントをテーマにした本でした。まさに今、七福神の育さんが、自分の職場で取り組んでいるテーマであり、早速買い求め、一気に読んでしまいました。 そこには、「勝ち組」になるためのヒントがありました。ご紹介します。
■【もし高校野球の女子マネージャーが
ドラッカーの「マネジメント」を読んだら】
◆この本のヒロインで、野球部のマネージャーである「みなみ」は、ふとしたことでドラッカーの経営書『マネジメント』に出会います。初めはその本の難しさに戸惑うのですが、読んでいくうちに野球部を強くするのにドラッカーが役立つことに気付きます。
マネージャーとはマネジメントする人なのだから、『マネジメント』を読んで野球部のマネジメントをしたって問題ないはずと考えた「みなみ」は、「われわれの事業は何か」「顧客は誰か」という問いからスタートしているドラッカーの『マネジメント』を、自分の所属する野球部に置き換えてみることにしました。
◆野球部にとっての顧客は誰か?。「みなみ」は、野球部の顧客とは野球部に関わる全ての人々、部員から部員の親、教師、学校、地域住民、高野連、高校野球ファンにいたるまで全員と位置づけ、野球部、ひいては高校野球に顧客が求めていることは感動であるとの結論に達します。そして感動を与えることこそが野球部のすべきことであり、顧客に感動を与える組織こそが野球部であると定義づけていきます。そして、「みなみ」と親友の夕紀、野球部の仲間たちは、ドラッカーの教えを学びながら、それを野球に活かして力を合わせ、ついに甲子園初出場という目標を達成するのです。
この本は、ところどころで、ドラッカーの「マネジメント理論」をそのまま引用し、それを物語の中で実践し解説してくれるので、難しい経営理論もよく理解できます。
◆ ぜひ一度、この本、読んでみませんか?
【もし高校野球の女子マネージャーがドラッカーの「マネジメント」を読んだら(岩崎夏海著)】を読んで、マネジメントとはどんなものかを知ったら、ドラッカーの『マネジメント』という難しそうな経営の専門書も理解しやすいと思います…。
■企業が大きくなるにつれ経営に不可欠な「マネジメント」
会社が小さいうちは家族的な経営でもうまくいきますが、会社が大きくなるにつれ、組織的な経営が不可欠となってきます。会社の規模が大きくなると一人の力では限りがありどうにもならなくなって、組織力(チーム力)に頼らざるを得なくなってきます。その組織力を最大限に発揮させ、目標を達成できるように導くのがマネジメントなのです。
「みなみ」に見習って、「われわれの事業は何か」「顧客は誰か」という問いからスタートしているドラッカーの『マネジメント』を、自分の所属する会社組織の中で置き換えて考え、自分の現状の立場と照らし合わせながら実践してみませんか。きっといい結果が生まれると思いますよ。
ドラッカーの『マネジメント』を経営の中で活かすのは、企業が「勝ち組」になるために大変役立つことだと思います。
■ドラッカーとの出会い 『断絶の時代』
七福神の育さんがドラッカーに出会ったのは1968年、大学三年の21歳の時。『断絶の時代~来るべき知識社会の構想~』というドラッカーの経営額専門書がベストセラーになり、当時、経営学を専攻していた育さんはその本を読んで感化され、一端の経営評論家を気取っていたのを覚えています。その本は今も育さんの本棚に並んでいて、学生時代のほろ苦い思い出の本になっています。
ドラッカーの『マネジメント』はその5年後の1973年に出版された「組織経営」の本で、あまたの経営トップや経営管理者に「経営のバイブル書」として広く愛読されています。世界で一番売れた本としてロングセラーとなっていて、最近またブームを呼び起こしています。ドラッカーは、オーストリアで生れたアメリカの経済学者。20世紀最高の知性の一人で、「経営学の父」と呼ばれています。
(鹿児島・山口・福岡応援団 / 地域交流飛翔会 / 新留育郎)
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