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■文学に目覚めた「野菊の墓」後編

前篇より続く http://mai196.blog65.fc2.com/blog-entry-31.html

■本が好きになって文学少年に…。
それからというもの、七福神の育さんは本のとりこになりました。最初は初恋、青春ものの手頃な中編小説からスタート。川端康成の【伊豆の踊子】【古都】、三島由紀夫の【潮騒】、石坂洋二郎の【青い山脈】【若い人】 、シェークスピアの【ロミオとジュリエット】、ゲーテの【若きウェルテルの悩み】、アンドレジッドの【狭き門】など純真、可憐な恋物語が七福神の育さんの好奇心をかき立て胸をときめかせてくれました。折しもその頃は、青春映画の全盛期で、アイドルスターの吉永小百合と浜田光男のコンビでこれらの青春小説がつぎつぎに映画化されており、封切の度に胸をわくわくさせながら映画館に足を運んだものです。
中でも、石原裕次郎と浅丘るり子、吉永小百合の豪華キャストで映画化された【若い人】のすかっとした面白さに魅入られて、石坂洋二郎の小説を次々に読みあさりました。その頃から、長編小説もあまり苦にならず、気長に読むこともできるようになり、本が好きになったような気がします。

 ■日本文学から世界文学へ、片っ端から読破…
読書の醍醐味を知った七福神の育さんは、初恋・青春小説に飽き足らず、次第に日本文学へと目を向けるようになりました。その頃の七福神の育さんの読書は作家毎に集中的に読破していく方法でした。石坂洋二郎を読破した後は、川端康成、三島由紀夫、武者小路実篤、谷崎潤一郎の現代文学を片っ端から読破し、次は島崎藤村、石川啄木、国木田独歩、中原中也、佐藤春雄などの詩歌の世界へ、そして、樋口一葉、夏目漱石、森鴎外、芥川龍之介、郷里川内の作家有島武郎の近代文学の世界にのめり込んでいきました。

■国語の成績がアップし、大学志望に変化が…
七福神の育さんは昔から数学が得意で国語は苦手でしたが、この頃になると、次第に国語の試験の成績が上がってきて、現代国語や古典、漢文の授業もだんだん待ち遠しくなってきていました。
そして、大学に行くなら理数系と思っていた七福神の育さんは、大学受験の頃になると理数系と文科系のどちらでもいいようになっていました。中間・期末考査(学科試験)の成績も入学した頃のレベルにアップし、苦手だった国語や歴史も好きになっていましたから…。
だから大学受験は、一期校は糸川教授のペンシルロケットに魅入られて九州大学の工学部電子工学科を受検し、一転、二期校は明治維新に感化されて【薩摩に生れ長州に学ぶ】を胸に山口大学の経済学部を受検したのでした。(当時は国立大学は2校しか受検できず、一期校と二期校に試験日が分れていました)
九州大学は肝心の「物理の」試験が全く解けずに見事に不合格となりましたが、山口大学は文科系の人が苦手な「数学」と「化学」の試験がほぼ完全に解けまぁ楽に合格。浪人を考える事もなく迷わず山口大学入学したのでした。
大学を卒業して銀行に入社した七福神の育さんは、コンピュータセンター、労働組合専従、営業店、本部(営業企画・営業推進)といろいろな部署を渡り歩き、銀行を定年退職した後は、食品メーカー、放送局、広告代理店と銀行の仕事とはあまり関係のない職につきましたが、どんな仕事・どんな環境でも苦にすることはありませんでした。『何処にいっても、人が相手で商売に変わりはなし。まァ何とかなるさ』の楽天的性格と『与えられた環境に順応できる』適応力(これは七福神の育さんの長所でもあるのですが)はこの頃から形成されたものだと思っています。

■世界文学からあらゆるジャンルの本に…
大学に入ってからは、当時学生に好まれて読んだ大江健三郎、阿部公房、小林多喜二、小林秀雄を少しかじりましたがちょっと難しくて、世界文学の方に惹かれていきました。ゲーテに始まり、ハイネ、シェークスピア、ドフトエフスキー、トルストイ、チェーホフ、ヘルマンヘッセを経て、ニーチェの哲学書、フロイトの精神分析論まで幅広いジャンルに手を伸ばし、文学史に出てくるような有名本は大学を卒業する頃には殆ど読んでしまいました。
社会人になってからは、吉川英治、司馬遼太郎、海音寺潮五郎等の歴史文学に親しむようになり、五木寛之、松本清張にはまりました。最近、『もしも高校野球の女子マネージャーだったら 』という本がベストセラーになっていてこのプログhttp://mai196.blog65.fc2.com/blog-entry-12.html
でも紹介しましたが、その本の原書【マネジメント】の作者ドラッカーの【断絶の時代】【経営の条件】など経済の専門書を読んだのもこのころです。
今一度読み直すと当時難しかった専門書も、30数年間の実体験を経た今ではすらすらと読めて理解できるようになりました。これからは、若い頃に読んだ本をまた読み直してみたいと思っています。


 
■九州財界のドン【瓦林潔 氏】の愛読書も【野菊の墓】
千葉県矢切の文学碑 西日本銀行に入社して二年目の夏、七福神の育さんは九州のトップ企業【九州電力】の社長で九州経済連合会の会長として九州財界に君臨していた瓦林潔氏の愛読書が【野菊の墓】であることを知りました。そんな偉い人と共鳴するものがあったと知って、「我が意を得たり」と高揚し、嬉しさがこみ上げてきたのを覚えています。 それは七福神の育さんの誇りとなり、大きな自信につながりました。
野菊の墓の舞台「矢切りの渡し」千葉県松戸市 「民子は余儀なく結婚をして遂にこの世を去り、僕は余儀なき結婚をして長らえている。民子は僕の写真と手紙とを胸を離さずに持って居よう。幽明遥けく隔つとも、僕の心は一日も民子の上を去らぬ(明治39年1月)」(「野菊の墓」結びより転記)とのくだりを読み返すたびに幾度となく涙を流したものです。純真無垢で正義感に燃える育さんは、世間体を気にするあまりの大人のエゴ・大罪に怒りを爆発させるのでした。 その後、松戸市に住居を構えた長兄に会いに行く機会があり、そのついでに、【野菊の墓】の舞台となった矢切りの渡しに立ち寄り、政夫と民子の世界に想いを馳せながら、『どんな理由があっても、どんなことがあっても、人の気持ち、人格を踏みにじってはいけない。』と強く心に刻んだのでした。『人の気持ちを大切にし、その人の人格を尊重しなくてはいけない。人を思いやり、人を大切する心』を芽生えさせてくれた本でした。


■読書の大切さを教えて下さった恩師に感謝

野菊の墓の表紙 七福神の育さんに読書の楽しさ教えてくれたのは【野菊の墓】。その一冊の本を薦め、「人が生きていく上で読書することの大切さ」を教えてくださったのはK先生。
「読書は、あなたの知識欲や好奇心を刺激して、人生を楽しく、また、大きな失敗をしないように導いてくれるはずです。」「貴方が道に迷った時、くじけそうになった時、落ち込んだ時…それまで読んだ本の知識がきっと役に立つはずですよ」。

その教えがなければ、本を好きにもなれなかったでしょうし、本をたくさん読んでいなければ、『どんな環境下でも、前向きに考えて切り拓いていく対応力=適応力』は身につかなかったと思っています。『努力すれはなんでもできる。努力はいつかは実り、役に立ち、花開くもの』と七福神の育さんは、自分の体験からそう確信しています。
K先生とは大学時代にお会いしたのを最後にその後の消息はわかりません。その頃は、【野菊の墓】が自分の人生の大きな転機だったとはまだ思ってもいませんでしたから…。
いつかお会いしてお礼を申し上げたい…そう願っています。きっと喜んで下さると思います。K先生、それまで、どうか元気でいらしてください。
前篇は⇒ http://mai196.blog65.fc2.com/blog-entry-31.html
画像は千葉県松戸市観光協会のHPより一部掲載しました。
(鹿児島・山口・福岡応援団 / 地域交流飛翔会 / 新留育郎) 
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プロフィール

七福神の育さん

Author:七福神の育さん
■本名:新留 育郎
■薩摩川内市出身1946年生
■座右の銘
「敬天愛人」「士魂商才」 
■趣味とスポーツ
「柔道」「家庭菜園」
「絵画鑑賞と史跡散策」 
■愛読書
「野菊の墓」
「翔ぶが如く」
「金子みすず童謡詩集」
■愛唱歌
「北辰斜めにさすところ」
(旧制第七高等学校寮歌)
「吉田松陰」「薩摩の人」
「白い花の咲く頃」
「愛傷歌」「北の旅人」
■好きな俳優/アナウンサー
吉永小百合、有働由美子
小西真由美(川内出身)
■交流会/地域貢献活動
鹿児島県
企業誘致サポーター
薩摩川内市CSサポーター
福岡さつま川内会副会長
福岡県新宮町男女共同参画
 審議会副会長
福岡可愛山同窓会会長
川内高校可愛山同窓会会員
川内高校ひっとぼ会世話人
川内南中学校同窓会会員
山口大学獅子の会世話人  
山口大学鳳陽会会員
山口大学柔道部OB会会員
西銀EDOS会会長
西銀志免会会長
西銀福間会会長
西銀会会員
福岡薩摩五代会会員
七福神+ONEの会世話人
■職歴
大手銀行支店長/本部部長
東証二部上場会社役員
地元放送局関連会社役員
総合広告代理店役員
■現職
HOSJAS企画(同)CEO
地場企業2社顧問

■資格認定
九州観光マスター1級
旅行業務取扱管理者
個人情報保護士
宅地建物取引主任者

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