■月下美人が咲きました
9月17日夕方。18時半頃から、ほのかな甘い香りを漂わせながら、月下美人のつぼみがゆっくりと開きはじめ、20時半頃満開。白く透き通るような大輪の花を大きく広げ、部屋いっぱいに心地良い強い香りを放っていました。別名「女王花」とも呼ばれ、優雅で妖艶な姿はまるで楊貴妃を思わせます。惜しむらくは美人薄命で、早くも23時頃から徐々に花びらを閉じはじめ、朝方起きてみると、あんなに咲き誇っていた花は儚くしぼんで、だらりと首を垂らしていました。 月下美人は「幻の花」とも言われ、花言葉は、その儚く美しい姿から、「艶やかな美人」「はかない恋」「秘めた情熱」。(右写真 18:47)
原産地はメキシコ熱帯雨林地帯でサボテン科・クジャクサボテン属の植物。6~7月と9~10月頃の年2回、妖艶な花を咲かせます。閉じた花は天ぷらやお浸しなどにして食べることができ、古くから薬用としても利用され、台湾では薬膳料理として食べられているそうです。耐寒性が弱くて冬を越させるのが難しく、育てるには油断のできない花です。 (右写真 19:42)
■月下美人と孔雀サボテンの見分け方
月下美人によく似た花に孔雀サボテンがあります。その違いは、 【花】月下美人は白のみ。孔雀サボテンは紫紅・白・青色を除く虹色、複色混合。
【葉】月下美人は葉茎のくぼんだ部分に棘があり、葉は薄くて硬く、濃緑色。孔雀サボテンは棘がなく、葉は肉厚。
【香り】月下美人は芳香種で香りが強く、孔雀サボテンは微かに香る種類もありますが香りがないのが大半。 (右写真 20:44) 【開花】月下美人は年2回、夕方から明け方の一夜だけ咲きますが、孔雀サボテンは年1回、夕方から翌夕方まで一昼夜咲きます。どちらも、花の命は短くて、この儚さがまた愛好家をときめかせ魅了しているようです。
【種類】どちらもサボテン科クジャクサボテン属ですが、月下美人は原産地から導入された原種。孔雀サボテンは交配種で種類もすごく多いそうです。
【俳句】 〇妖と開き 煌と香りぬ 月下美人(楠本憲吉 狐客)
〇夜を一人 月下美人と 居りにけり(松崎鉄之助)
〇月下美人 たまゆらの香の 満ちにけり(深見けん二) (右写真 21:41)
■月下美人を育てるのにも喜怒哀楽
実は、我家の月下美人はこの5月には5つの蕾を付けていました。5年前に近所の方に株を分けて頂き育てていましたが、こんなに5つも蕾を付けるのは珍しいそうで、咲いたら西日本新聞に投稿しようかなと思ったくらいです。毎朝、蕾の膨らむのを眺めながら、胸をわくわくさせ花が咲くのを楽しみにして待っていました。 (右写真 23:35)
ところが6月、いよいよ明日か明後日には咲こうかというその日、どうしたことか日課になっていた蕾の観察を忘れてしまいました。翌朝、庭先の月下美人に目をやると、花はしぼんでだらりと垂れ、弱弱しい無残な姿になってていました。夕べの内に5つの蕾が一斉に開花したのでした。今までの期待が一瞬にして失せて大ショック!! 痛恨の極みで、悔しいと言ったらありません。コロナ禍のちょっとした油断がもたらした悲劇でした。この10月には74歳を迎えようとしている19さんも、さすがこれには、少々歳をとったかなとちょっぴり落ち込みました。でも、いつまでも悔やんでばかりいられません。「また来年がある! 楽しみが一年先に伸びただけ・・・」と気を取り直し、開花後の手入れをしている自分がそこにありました。 (右写真 7:14)
■油断大敵~父が残した戒め~
折しも、開花した前日の9月16日は父の60回忌。そんな自分に、父が月下美人のサプライズを届けて励ましてくれたのでしょうか。
父は、19さんが中学3年の時、芋畑でマムシに噛まれ亡くなりました。当時の医学では、24時間以内に血清注射を打てば毒は消えて治るものとされていました。農業の専門教師をしていてそこらの知識もあり、あんなに用心深かった父が何を戸惑ったのか、診療所で応急手当てをしてもらうと、血清注射も確かめず、その足でマムシの治療によく効くといわれていた温泉治療に行ったのでした。マムシにかまれて動転し、油断したとしか考えられません。「油断大敵」そんなことを思いだたせてくれた昨夜の月下美人でした。
コロナパンデミックは収束しそうもなく、コロナに感染しない、感染させない為に3つの密を避け、手洗いとウガイをしっかりと励行し、社会も経済も活性化していかなければならない危険と隣り合わせの世の中。どんな時にも、「油断大敵!!」 と心に言い聞かせ、一歩立ち止まって考えながら行動して行かねばと改めて思った次第です。
■日はまた昇る
19さんの若い頃、【明日という字は明るい日と書くのね🎶・・・】という歌が流行りました。人生まだまだこれから。人生100年時代に、充実した日々を出来るだけたくさん過ごせるように、夢と希望を持って、Keep on Going!! の姿勢で、日々心新たに、何事にもチャレンジしていきたいと思っています。箱庭の花を育て慈しみながら・・・。 (2020.9.18)
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